年中無休で恋心

たのしいおたくライフを送っています。

2021年わたしの好きな藤原季節ベスト10

2021年、特定の俳優さんのファンになりましてね。

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『のさりの島』舞台挨拶で自分で撮った藤原季節と山本起也監督。本物を前に心配させるほど号泣した苦い思い出

door-knock.hatenadiary.jp

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そこで初めて経験する気持ちがありました。

年末に差し掛かり「2021年の映画ベストを決めよう」と恒例の企画が持ち上がった時、映画コンテンツの中に推しが含まれるという事実に自意識が過剰になってきたのです。

 

「この映画が本当に好きなんだけど、わたしの推し補正と思われてしまうのではないだろうか」

「そもそもわたしは本当に忖度なく好きな映画を選べるのだろうか」

「わたしがこの映画が好きということで推しの純粋な作品に対して違う意味が含まれてしまうのではないだろうか」

「わたしが過剰に褒めるために説得力を失ってしまったら推しへ迷惑になってしまうどうしよう早く客観性を担保しなくてはならないこの早口をやめて」

 

なるほど、おたくの心って複雑だね。

まじで周りのみなさんは気にしてないはずというか、どうでもいいと思うんですが、自分なりに解決策を考えました。2021年に発表された推しの活動のうちわたしの心のベスト10決めます。名付けて「わたしの好きな季節ベスト10」です。

いいだけ推しの話しとけば客観性の担保もできるはずと自分で思えるだろ。始めます。

 

 

第10位 2分半長回し絶望キスシーン (ドラマ『それでも愛を誓いますか?』)

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飴を使ったキスシーン。こんなの地上波で流して大丈夫なのかと思う真剣な欲求のぶつかり合いが行われていました。涙を落とすタイミングをどうしてコントロールできるのか不思議で仕方なく、途中うっすら笑った顔も脳にこべりつきました。

 

第9位 演説中の肩と声 (舞台『サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男』)

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初めて生で見た藤原季節の演技でした。このシーンの映像は残ってないので舞台の告知動画を貼りますが、肩の張り方ひとつで民衆を革命に導く強靭な思想と聡明さを信じさせる力、姿勢、凄まじかった。どこからあんな声が出るんだろ。はっきり聞き取りやすく、かつ抑揚のある大きな声に圧倒されました。声の初速が早い。

 

第8位 「爆発か。爆発といえば俺か?」(映画『くれなずめ』舞台挨拶)

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心がくじけそうになった時一番見た動画です。BCG跡を見せる藤原季節。何でだよ。

 

第7位 「すいません、よく見たら美人です」(映画『空白』)

この人がそばにいてくれたらきっと人生うまくだろうと思う子分感がたまらない作品でした。中でも後半の古田新太さんとの掛け合いの台詞でちょっと調子乗るところが大好き。彼がいることでこの映画が部分的に笑っていいものになり、シリアスなものだけにならなかったと思う。

 

第6位 過剰すぎる謎解きマスターのモノマネ(舞台『ぽに』)

普通ためらってしまうようなところでバっと大きい声出せる愛らしい人を演じるのが本当にうまい。舞台上で、ここで笑っていいですよ、という隙間をつくってくれる。主人公がこのどうしようもない男を好きになってしまうことを仕方ないと思わせる重要なシーンだったと思う。

 

第5位 5月12日のブログ

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落ちたきっかけの文章。彼の丸く尖る繊細な言葉を尊敬しています。

 

第4位 食べる藤原季節 代表作→「うめえ」(映画『のさりの島』)・「うんめえ」(映画『DIVOC-12』)

藤原季節の食べる演技は天下一品です。『のさりの島』のなかで卵焼きの食べ方が変化していることに気付いた時、あまりの繊細さに痺れて天を仰ぎました。卵焼きを宇宙一美味しそうに食らうところでは感性に任せて芝居する役者さんにも見えるのに。

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『DIVOC-12』のうんめえ、は全く違う文脈で笑いながらアイスを食べるんですけど、すごい泣けるんですよね。何あれ?こんな台詞で感動する日が来るとは。いっぱい食べてくれ。

 

第3位 赤ちゃんを抱く悠二、その後の疾走(映画『佐々木、イン、マイマイン』)

部屋に射す光・表情・台詞・音から見る悠二の気付き、自分の気持ちを伝えようと決心するまでの感情の変化を正確に追っている感覚が鑑賞体験として完璧すぎて何度見ても新鮮に驚くシーンです。鼓動が早くなる。

 

第2位 夏目漱石夢十夜』朗読 第一夜(朗読劇『夏と朗読』)

短編の連なる本作の中でも大好きな「第一夜」。わたしには想像しえなかった解釈に震えるほど感動しました。愛のかたちを見た。

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第1位 「すげえお菓子もらいに来た人みたいになっちゃって」(映画『くれなずめ』)

この人の演技が好きだと思ったきっかけのシーン。思い切り泣くことも強がることも選べていないような、何とも言えないすごい顔をしている。

藤原季節さんはスクリーンで見る面構えが良いよなあとしみじみ思っている。映画で1人で大映りになったときに吸引力がある顔をしている。顔立ちが整っている、濃い、という意味はなくて(もちろん端正なお顔立ちだと思うんだけど)、影が落ちたときにはっきりと表情がうつって、人間っぽさがあって、主役になる顔をしているなあと思う。昭和の映画俳優のような印象。

メイキング映像などを見るとご本人はあの演技やりすぎたんじゃないかと思われてる節があるけど、あのシーンがあることでだいぶ鑑賞側が映画に没頭できたんじゃないかとわたしは思うなあ。

 

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他ノミネート作品は下記でした。

・花畑でのカバンの叩き方の雑さ(映画『くれなずめ』)

・「俺今人生で一番モテてる」大学生・大成の部屋(映画『くれなずめ』)

・「金もねえし毎日だりいし何となく借りたんすよ!!!!ああ!?」の早口(映画『くれなずめ』)

・誰よりも早く激しく泣く大成(映画『くれなずめ』)

高良健吾にもらった服、成田凌にもらった靴(映画『くれなずめ』完成披露舞台挨拶)

youtu.be

・「お疲れ様です、季節です」と城田優に挨拶(ゴジゲンのゴジTube)

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・不作法に酒を飲み酔っ払って豪快な寝姿(映画『のさりの島』)

・洗濯物の干し方の変化の演技(映画『のさりの島』)

・やいと(お灸)をしてあげるときのアップの表情の繊細さ(映画『のさりの島』)

・バニラアイスをねだり艶子さんと過ごすリビングの空気(映画『のさりの島』)

・車の鍵を投げて渡す演出について「清らが大きい声を出すシーンがあるといいと思った」(映画『のさりの島』舞台挨拶@アップリンク吉祥寺)

・「ゴム手で触らないで下さいよ!!」と漁師さんを拒否るいい感じの若者感(映画『空白』)

・「充さんが親だったら正直キツいっす」(映画『空白』)

・「充さんの船に乗せてもらえなかったら俺、ホストになるしかないです」「それは、まずいな」(映画『空白』)

・「メルヘンっすね」充の絵を見るテンポ(映画『空白』)

・明大前への異常な食いつき(舞台『ぽに』)

・本当に中の人の発想で言っていそうな台詞「嘘コーティングのガチ」(舞台『ぽに』)

・体側が全く伸びていないストレッチシーン(舞台『ぽに』)

・なぜか記憶に残ってしまう台詞「目が長いのよ」(舞台『ぽに』)

松本穂香さんとのツーショット写真(舞台『ぽに』)

・号泣カラオケ(映画『DIVOC-12』)

・「僕はいつも自分がうさんくさい人間であるという思いが消えなくて恥ずかしくて不安」(『DIVOC-12』公開を受けて フリーペーパー『FILT』インタビュー)

filt.jp

・迷わず人の足を膝にのせ絆創膏を貼ってあげるまっすぐさ(ドラマ『それでも愛を誓いますか?』)

・正面を向いてまっすぐ涙を落とすルーシー

www.youtube.com

・人の話をちゃんと聞いている結果目がキラキラしている藤原季節(ダイナナDEEP TALK LIVE)

・公式LINEに登録すると「藤原のシーズンがLINEに到来しました」とメッセージが来る

・「負けたくないから。負けたくない」の言い方(映画『佐々木、イン、マイマイン』)

・朝帰りのキッチンでの小さい佐々木コール再現(映画『佐々木、イン、マイマイン』)

TAMA映画祭授賞式スピーチでお世話になった皆さんのことをひとりひとり挙げて語る姿

youtu.be

 

映画、ドラマ、朗読劇、舞台と大活躍だった2021年、自分がすっかり沼の住人であったことを忘れて「良い映画には大体藤原季節がいるなあ」と思ってしまうくらいに良い作品にばかり出演されていました。

 

好きを言語化するたび細かくなってしまって客観性の担保に繋がったかというと疑問が残りますが、彼を追っかけているおかげでこれまで出会えなかった分野の作品に連れていってくれたことを再確認しました。心から感謝しています。